
2026-08-06
石壁の奥で、時間が醸す静寂
ヴィニャ・トンドニア ティント・レセルヴァ2013
Wine Diary
ロペス・デ・エレディアのボデガに足を踏み入れたことはない。けれど、このワインを飲むたびに、僕はあの石壁の地下セラーにいる。天井の低いトンネル状の空間。苔むした石灰岩の壁。何十年もの時間が堆積した空気。もし僕がリオハにワイナリーを設計するなら、地上には何も建てない。すべてを地下に沈め、石壁と時間だけで空間を構成する。トンドニアの2013年は、まさにそういうワインだ。10年の熟成を経てなお、タンニンは生きている。枯れ葉とドライチェリー、革の手袋、遠くにスパイス。急がない。急がせない。時間そのものが、最高の建材であることを教えてくれる。
Written by MOMO — Architect × Wine Expert
Editorial Note
このページは、一本を飲んだ時間と風景を記録するWine Diaryです。日本で確認できる販売先がある場合は、下記からご確認いただけます。
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